工事部門 -地すべり対策工事-
杭打工
杭打工は、まず、大口径ボーリングマシン等で地盤を掘削し、鋼管を不動層まで挿入します。そして、鋼管と地盤をグラウトすることにより密着させ、地すべり土塊にせん断抵抗力や曲げ抵抗力を付加することにより、地すべりの滑動を抑止する工法です。
杭材としては、一般にφ300~500m/mの鋼管杭が用いられていますが、最近では、径がφ1000m/mを超えるものや、高張力杭の利用が増加しています。
集水井工
集水井工は、地すべり地内に直径3.5~4.0mの井戸を掘削し、地下水を集水して、地すべり地外に速やかに排出するための工法です。
集水井の材料には、鋼製のライナープレートや、鉄筋コンクリート等が用いられています。井戸の内部からは、周辺の地下水を集水するためのボーリングを放射状に掘削します。
シャフト工(深礎工)
シャフト工は、地すべりの滑動推力が大きく、通常の杭打工では斜面安定確保が難しい場合や、地理的制約や地盤条件から、杭打機械が搬入できない場合に利用されます。
シャフトは、一般に径が2.5~6.5mの縦孔を掘削し、これに鉄筋コンクリート構造の場所打ち杭を施工して、地すべり土塊の滑動力に抵抗する工法です。
アンカー工
アンカー工は、ボーリングマシンにより不動層まで地盤を掘削し、高強度の鋼材を挿入します。そして、地表面に設置した受圧板等の反力体によって、地すべり移動土塊に締め付け効果や引止め効果を与えることにより、地すべりの安定化を計る工法です。
本工法は、比較的小断面の部材を用いて大きな抑止力が得られ、引張に強いという鋼材の長所を発揮することができ、施工性、経済性に優れています。